停電と大雨・洪水が同時に起こるとどうなる?知らないと危険な複合災害リスクと備え方


毎年のように日本各地で発生する台風や線状降水帯による大雨・洪水
これらの災害では、**「停電」と「浸水」**が同時に起こるケースが増えています。
停電だけでも生活は不便ですが、水害を伴うと状況は一気に深刻化。
この記事では、停電と大雨洪水の同時発生リスク、そして家庭でできる現実的な備えを詳しく解説します。


■ 停電と洪水が同時に起こる「複合災害」とは?

複合災害とは、複数の災害が同時または連続して発生する現象のこと。
近年では、豪雨による土砂崩れ・洪水に加えて、強風や落雷で電力インフラが被害を受け、広範囲で停電が発生する事例が増えています。

例えば次のような状況が想定されます:

  • 豪雨で川が氾濫 → 浸水により電柱や変電所が停止

  • 台風の暴風で電線が切断 → 停電中に避難情報が受け取れない

  • 浸水でブレーカーが落ち → 家の電気が完全に遮断される

このような「停電+水害」の組み合わせは、命に関わる危険をもたらします。


■ 停電と大雨洪水が同時発生したときの主なリスク

1. 情報遮断による避難の遅れ

停電によりスマートフォンやWi-Fiが使えなくなると、
避難勧告や河川水位情報を受け取れないリスクが生じます。
特に夜間の停電では周囲の様子も確認できず、避難判断が遅れがちになります。

2. 浸水による電気ショート・感電の危険

床上浸水した状態でブレーカーを操作すると、感電や火災の危険があります。
停電中であっても、電気復旧時のショートに注意が必要です。

3. 冷蔵・冷凍保存ができない

停電により冷蔵庫が止まり、食材が傷みやすくなります。
さらに浸水でキッチンが使えない場合、食糧確保が困難になります。

4. トイレ・給湯・調理機能の停止

特にオール電化住宅では、電気が止まるとトイレ・給湯器・IHコンロが全て停止。
浸水が加わると修理不能になることも。


■ 同時災害への備え方【実践リスト】

1. 避難経路の再確認

洪水マップで自宅周辺の危険区域を確認し、
浸水時でも使える高台ルートを家族で共有しましょう。
停電中は街灯が消えるため、懐中電灯やLEDランタンも必携です。

2. 電源と通信手段の確保

  • モバイルバッテリー・ポータブル電源を満充電に

  • ソーラーパネル付き充電器も効果的

  • 手回し式ラジオを備えると、停電時でも情報を得られます

3. 非常食・水・衛生用品の備蓄

停電と洪水が重なると物流も止まり、支援が届くまで時間がかかります。
最低でも**3日分(理想は1週間分)**の備蓄を。

  • 常温保存できる食品(缶詰、レトルト、おにぎりパック)

  • 飲料水:1人1日3Lが目安

  • ウェットティッシュ・簡易トイレも必須

4. 家電・設備の防水対策

  • 延長コードや電源タップは床上から30cm以上に設置

  • ブレーカー位置を確認し、緊急時には早めに電源を落とす

  • 家電や貴重品は高い場所に移動しておく

5. 車を高台に避難させる

浸水によって車が故障するケースが多発。
また、停電時にはガソリンスタンドも営業できないため、ガソリンは早めに満タンにしておきましょう。


■ 浸水+停電中に絶対してはいけないこと

  • 水に濡れた電気製品を触る

  • 浸水中のコンセントを抜く

  • 停電復旧時に一度に家電を起動する

  • 真っ暗な状態で屋外へ出る(感電・転倒の危険)

これらは感電・火災・事故の原因となるため、命を守るために避けるべき行動です。


■ 同時災害に強い家庭をつくるために

  • 家族で「停電・洪水時の行動マニュアル」を決めておく

  • 自治体の防災訓練や防災アプリを活用

  • 電気+水害対策グッズを一箇所にまとめる(例:玄関近くに防災リュック)

こうした小さな備えが、いざという時に家族を守ります。


まとめ:停電と洪水の「複合災害」は誰にでも起こりうる

停電と洪水が同時に発生すると、「光も情報も失われる」極めて危険な状況になります。
「うちは川から離れているから大丈夫」と思わず、
停電対策+水害対策の両方を意識することが大切です。

防災グッズ、モバイル電源、備蓄食料、避難ルート。
これらを今一度見直すことで、あなたと家族の命を守ることができます。

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