歯のクリーニング後、一時的に歯が痛むのはなぜ?その理由と対処法
歯のクリーニングを頑張った後、「あれ?なんだか歯がしみる…」「ズーンと鈍い痛みがある…」と感じたことはありませんか?せっかくお口をきれいにしたのに、痛みがあると心配になりますよね。
実は、歯のクリーニング後に一時的に痛むのは、珍しいことではありません。今回は、その痛みの主な原因と、痛みを和らげるための対処法、そして次回のクリーニングに役立つヒントを分かりやすく解説します。
クリーニング後に歯が痛む主な3つの原因
歯のクリーニング、特に歯石除去(スケーリング)は、歯周病予防や口臭対策にとても大切です。しかし、きれいにすればするほど、一時的に痛みを感じることがあります。その原因を見ていきましょう。
1. むき出しになった歯の根っこ(知覚過敏)
これが、クリーニング後の痛みの最も大きな原因かもしれません。歯周病が進行したり、歯周病でなくても歯磨きの力が強すぎたりすると、歯ぐきが下がって歯の根っこの部分が露出してしまうことがあります。
歯の根っこは、本来歯ぐきに覆われているため、エナメル質のような保護層がありません。そのため、クリーニングによって歯石が除去されると、これまで歯石で覆われていた根っこの表面がむき出しになり、冷たいものや熱いもの、歯ブラシの刺激などが直接伝わりやすくなって「知覚過敏」を起こしてしまうのです。
この知覚過敏による痛みは、一時的なものがほとんどで、通常は数日から長くても数週間で落ち着くことが多いです。
2. 歯ぐきの炎症と刺激
歯ぐきに炎症がある場合、クリーニングの際の器具の刺激で一時的に痛みを感じやすくなります。特に、歯石がたくさん付着していたり、歯ぐきが腫れていたりすると、歯石を除去する際に歯ぐきから出血したり、炎症が一時的に悪化したりすることもあります。
これは、歯ぐきの状態が悪いほど起こりやすいですが、クリーニングが進んで歯ぐきが健康になっていくにつれて、痛みも感じにくくなっていきます。
3. 歯石が取れたことによる「違和感」
長年歯石が付着していた場合、その歯石がまるで歯の一部のように感じられていた、というケースもあります。歯石がごっそり取れることで、歯と歯の間にスペースができたり、今までと違う感覚になったりして、それを痛みや違和感として感じることがあります。
これは、むしろお口の中が健康な状態に近づいている証拠。時間とともに慣れていくので心配いりません。
歯のクリーニング後の痛みを和らげる対処法
痛みを感じても、ほとんどの場合は一時的なものです。次のような方法で対処してみましょう。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う: 歯の神経を鈍らせたり、露出した象牙細管を塞いだりする成分(硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなど)が配合された歯磨き粉を使用すると、痛みが和らぎやすくなります。
熱すぎる・冷たすぎる飲食を避ける: 痛みが強い間は、刺激の強い温度の食べ物や飲み物を避け、常温のものを摂るように心がけましょう。
やわらかい歯ブラシで優しく磨く: 痛む部分をゴシゴシ磨くと、刺激になってしまいます。毛先のやわらかい歯ブラシを選び、力を入れずに優しく磨きましょう。歯磨き圧を意識することも大切です。
うがい薬を活用する: 殺菌作用のあるうがい薬で口腔内を清潔に保つと、歯ぐきの炎症が早く治まることがあります。ただし、刺激の強いものは避けましょう。
刺激物を避ける: 辛いもの、酸っぱいものなど、刺激の強い食べ物も控えるのがベターです。
安静にする: 痛みが強い場合は、無理せず、しばらく安静に過ごしましょう。
こんな場合は歯科医院に相談を!
ほとんどの痛みは一時的なものですが、以下のような場合は、念のためクリーニングを受けた歯科医院に相談しましょう。
痛みが2週間以上続く
痛みがどんどん強くなっている
冷たいものだけでなく、温かいものがしみるようになった
歯ぐきの腫れや出血がひどくなってきた
これらの症状は、知覚過敏以外の問題や、歯周病の進行などが関係している可能性も考えられます。自己判断せず、専門家の診察を受けることが大切です。
痛みを繰り返さないためにできること
次回のクリーニング時に痛みを軽減するためには、日頃のケアが重要です。
毎日の丁寧な歯磨き: 歯石の付着を最小限に抑えることで、クリーニング時の歯石除去が楽になり、痛みも感じにくくなります。歯と歯ぐきの境目を意識して優しく磨きましょう。
定期的な歯科検診: 歯石がたまっていなくても、定期的に歯科医院でチェックしてもらい、小さな変化を見逃さないことが大切です。
歯周病の治療: もし歯周病と診断されている場合は、歯科医師の指示に従って適切な治療を続けることが、歯ぐきの健康を取り戻す近道です。
まとめ:一時的な痛みは、きれいになるためのサイン!
歯のクリーニング後の痛みは、お口の中がきれいになり、健康な状態に戻ろうとしている「好転反応」のようなものです。特に歯ぐきの状態が悪かった方ほど、痛みを感じやすい傾向にあります。
痛みを感じても、必要以上に心配せず、今回ご紹介した対処法を試してみてください。そして、何か不安なことがあれば、いつでも歯科医院に相談しましょう。
快適で健康な口腔環境を保つために、定期的なクリーニングと日々のセルフケアを大切にしてくださいね!