ダンゴムシを駆除するなら、餌になるものを知って対策しよう!
はじめに:「あ、ダンゴムシ!」庭やベランダの意外な訪問者、どうする?
庭いじりをしていたら、プランターの陰にたくさんのダンゴムシが…! 普段は丸まってて可愛いけれど、大量発生するとちょっとゾワッとしますよね。見た目は無害そうに見えても、大切に育てている植物の新芽を食べたり、建物の基礎部分に入り込んだりすることもあるんです。
「どうにかして減らしたいけど、どこから来るの?」「何を食べてるの?」
そう思っているあなたのために、この記事ではダンゴムシが何を餌にしているのか、そしてその知識を活かして効果的にダンゴムシを駆除・予防する方法を詳しく解説します。ダンゴムシの生態を知って、快適なガーデニングライフを取り戻しましょう!
ダンゴムシってどんな生き物?意外な生態と食性
ダンゴムシは、実は昆虫ではなく、エビやカニの仲間(甲殻類)に分類される陸生等脚類(りくせいとうきゃくるい)です。あの丸くなる姿が特徴的ですよね。世界中に数多くの種類がいますが、日本でよく見かけるのは主にオカダンゴムシという種類です。
彼らは湿気を好み、日中は石の下や落ち葉の陰など、暗くて湿った場所に隠れています。そして、夜になると活動を開始し、様々なものを食べ始めます。
ダンゴムシの主な餌(食性)
ダンゴムシは基本的に雑食性で、幅広いものを食べますが、特に好むのは以下のものです。
枯れた植物や落ち葉: ダンゴムシの主食とも言えるのが、腐敗した植物や枯れた落ち葉です。これらを食べることで、土に還る手助けをしている、いわば「分解者」としての役割も担っています。
苔や菌類: 湿気の多い場所で見かける苔や、土壌の菌類もダンゴムシの餌になります。
野菜くずや生ごみ: コンポストなどで堆肥を作っている場合、野菜くずや生ごみもダンゴムシにとってはご馳走です。
植物の新芽や柔らかい葉: 基本は枯れたものを好みますが、大量に発生した場合や、他に餌がない場合は、植物の柔らかい新芽や若葉、花びらを食べることもあります。特に、レタス、キャベツ、パンジーなどの柔らかい葉の植物は被害に遭いやすいとされています。
死んだ昆虫や小動物: まれに、死んでしまった昆虫やミミズなどの小動物の死骸を食べることもあります。
カビ: 湿った場所で発生するカビも餌となることがあります。
このように、ダンゴムシは身近にある様々な有機物を餌にしていることが分かりますね。
餌を知れば対策が見える!効果的なダンゴムシ駆除・予防法
ダンゴムシの食性を理解すれば、彼らが集まってくる原因を減らし、効果的に対策することができます。
1. 餌になるものを徹底的に除去する(環境整備)
これが最も基本的な、そして効果的な対策です。
落ち葉や枯れ草の掃除: 庭やプランター周り、ベランダの隅に溜まった落ち葉、枯れた草、枝などは、ダンゴムシの格好の餌であり、隠れ家にもなります。こまめに掃除して取り除きましょう。
プランター下の整理: プランターの下に敷きっぱなしのレンガや石、木片なども、湿気がこもりやすくダンゴムシの隠れ家になります。定期的に持ち上げて掃除し、風通しを良くしましょう。
余分な資材の片付け: 使わない木材、古い段ボール、使わなくなった植木鉢などは、ダンゴムシの温床になりやすいです。整理整頓を心がけましょう。
生ごみ・野菜くずの管理: コンポストや生ごみ処理機を使用している場合は、密閉性を高めたり、こまめに中身をかき混ぜたりして、ダンゴムシが寄り付きにくい環境を作りましょう。
2. 湿気を減らす工夫をする
ダンゴムシは湿気を好むため、乾燥させることで数を減らすことができます。
風通しを良くする: 庭木の枝を剪定したり、植木鉢の間隔を空けたりして、風通しを良くしましょう。
日当たりを確保する: 日当たりが悪い場所は湿気がこもりやすいため、可能であれば改善を検討しましょう。
水やり後の対策: 水やりは、日中の気温が高い時間帯を避け、夕方や早朝に行うなど、土の表面が長時間湿りすぎないように工夫しましょう。過剰な水やりも避けます。
3. ダンゴムシが侵入しにくい環境を作る
建物への侵入を防ぐ対策も重要です。
基礎部分の隙間を塞ぐ: 家の基礎部分に隙間があれば、コーキング材などで塞ぎましょう。
網戸や窓のチェック: 窓やドアの網戸に破れがないか確認し、隙間があれば補修しましょう。
防草シートの活用: 庭の地面に防草シートを敷くことで、ダンゴムシの隠れ家となる雑草の繁茂を防ぎ、地面からの湿気を抑えることができます。
4. 市販の駆除剤や忌避剤を活用する
大量に発生してしまった場合や、すぐに効果を出したい場合は、薬剤の力を借りるのも一つの方法です。
粒剤タイプ(誘引殺虫剤): ダンゴムシが好む餌成分と殺虫成分が混ざった粒剤を撒くタイプです。ダンゴムシが食べて死滅します。雨に強いタイプや、効果が長持ちするタイプなど様々です。
スプレータイプ: 見つけたダンゴムシに直接噴射して駆除します。即効性がありますが、広範囲の対策には向きません。
忌避剤(きひざい): ダンゴムシが嫌がる成分を配合した薬剤で、特定の場所への侵入を防ぐ効果があります。
【薬剤使用の注意点】
使用上の注意書きをよく読み、正しく使用しましょう。
お子さんやペットがいるご家庭では、誤飲・誤食がないよう、特に注意して選びましょう。
植物への影響も確認してから使用しましょう。
5. ダンゴムシの捕獲・駆除トラップ
薬剤を使いたくない場合は、手作りのトラップも有効です。
ビールトラップ: ダンゴムシはビールの匂いを好みます。平たい容器にビールを少し入れ、土に埋めるように設置すると、ダンゴムシが誘われて容器の中に入り、溺れて死滅します。
濡らした段ボールトラップ: 濡らした段ボールをダンゴムシが多くいる場所に置いておくと、ダンゴムシが中に集まってきます。集まったところで、段ボールごと処分します。
ダンゴムシ対策でよくある質問
Q1. ダンゴムシは植物に害を与えますか?
A1. 基本的には枯れた植物を食べる分解者ですが、大量に発生した場合や、他に餌がない場合は、柔らかい新芽や若葉、花、果物などを食べることがあります。特に、パンジーやチューリップの球根、イチゴ、レタス、キャベツなどの被害報告があります。もし植物の被害が見られるようなら、積極的に対策を講じましょう。
Q2. ダンゴムシは家の中に侵入してきますか?
A2. はい、侵入してくることがあります。湿気を求めて、窓の隙間や玄関の隙間、基礎のひび割れなどから侵入してくることがあります。家の中では乾燥しすぎて死んでしまうことが多いですが、不快に感じる方も多いでしょう。侵入経路を塞ぐ対策が重要です。
Q3. ダンゴムシは益虫ですか、害虫ですか?
A3. 一概に「害虫」と決めつけることはできません。自然界では枯れた植物を分解する益虫(分解者)としての役割を担っています。しかし、人間が管理する庭や畑、家屋に大量発生した場合は、植物への食害や不快害虫として害虫とみなされることがあります。状況に応じて、駆除や対策を検討するのが良いでしょう。
まとめ:ダンゴムシを「知る」ことが、快適な環境への第一歩
ダンゴムシは、私たちの身近にいる小さな生き物ですが、その生態や食性を理解することで、効果的な対策を立てることができます。
庭やベランダにダンゴムシが多いと感じたら、まずは餌になるものをなくすことから始めてみましょう。落ち葉や枯れ草をきれいにし、湿気がこもらないように風通しを良くする。これらの地道な環境整備が、ダンゴムシを減らす最も確実な方法です。
それでも数が減らない場合は、薬剤やトラップを賢く活用して、快適な環境を取り戻しましょう。ダンゴムシと上手に付き合いながら、緑豊かな暮らしを楽しんでくださいね!