骨董品の真贋を見分ける基本テクニック


「この骨董品、本物かな…?」

「高価なものらしいけど、偽物だったらどうしよう…」

そうお考えの方へ。骨董品の世界には、本物と見間違うほど精巧に作られた偽物が存在します。しかし、いくつかの基本的なテクニックを知っていれば、初心者の方でも真贋をある程度見分けることができます。

今回は、骨董品真贋を見分けるための、プロも使う基本的なテクニックを3つご紹介します。


1. 時代と素材の「違和感」を見つける

骨董品は、その作られた「時代」と使われた「素材」に、歴史的な整合性があります。この整合性から外れている場合、偽物の可能性が高いです。

  • 素材の違和感:

    • 江戸時代のものなのに、現代の科学技術でしか作れないような、均一な色合いや完璧な形状をしている。

    • 本来は手作業で作られるべきものが、機械で大量生産されたような跡がある。

  • デザインの違和感:

    • その時代には存在しないはずの模様や、技術的に不可能な表現がされている。

    • 例えば、江戸時代の陶器なのに、明治時代以降の技術で作られたような「転写」の跡がある。

ポイント:

知識がない場合は、まずは違和感を探すことから始めましょう。「なんだかおかしいな」と感じたら、一旦立ち止まって、専門家に相談することが大切です。


2. 経年変化と使用感をチェックする

本物骨董品は、長い年月を経ることで、自然な経年変化や使用感が必ず存在します。一方、偽物は、この自然な変化を人工的に作り出そうとするため、不自然さが出やすいです。

  • 釉薬のヒビ(貫入):

    • 陶磁器には、時間の経過とともに細かいヒビ(貫入)が入ります。本物は自然で均一ではないヒビですが、偽物は、薬品などで無理やり貫入を入れるため、不自然な模様に見えることがあります。

  • 底部の摩耗:

    • 皿や壺の底部は、長年の使用により、自然と摩耗して滑らかになります。偽物は、この摩耗を再現するために、意図的にこすったような不自然な跡があることがあります。

  • におい:

    • 古いものには、独特のにおいがあります。カビ臭かったり、古い紙や木材のにおいがしたり…。偽物は、このにおいがないか、もしくは不自然なにおいがすることがあります。


3. 落款や銘(めい)の信頼性を確認する

陶磁器や書画には、作者を示す「落款(らっかん)」や「(めい)」が記されていることがあります。これが真贋を見分ける上で重要な手がかりとなります。

  • 書体や彫り方:

    • 落款の書体や彫り方は、作者の個性や時代を反映しています。偽物は、本物の落款を模倣しているため、書体や彫りのタッチが不自然に見えることがあります。

  • 専門家への相談:

    • 落款の真偽は、素人には判断が難しいことが多いです。少しでも疑問を感じたら、専門家に相談するのが一番確実な方法です。


まとめ:見る目を養うことが大切

骨董品真贋を見分けるには、特別な知識や経験が必要だと思われがちですが、まずは「違和感を見つける」というシンプルなテクニックから始められます。

  • 時代と素材の整合性をチェックする

  • 自然な経年変化や使用感があるか確認する

  • 落款や銘の不自然さを探す

これらのポイントを押さえて、あなた自身の「見る目」を養っていきましょう。