停電中の熱中症対策と注意点|家庭・高齢者・子どもを守る具体的な行動マニュアル
夏の停電は、エアコンや扇風機が使えなくなるため、熱中症リスクが一気に高まります。特に高齢者や乳幼児、持病を抱える方にとっては命に直結する問題です。この記事では、停電中でもできる熱中症対策と注意点をわかりやすく解説します。家庭での工夫から地域や自治体のサポートまで、具体的な行動マニュアルとして活用してください。
なぜ停電中に熱中症リスクが高まるのか
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冷房が使えない → 室内の温度・湿度が上昇しやすい
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換気が不十分 → 熱気や湿気がこもりやすい
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水分補給を忘れやすい → 停電時は不安や慌ただしさから、つい水分を摂り忘れる
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高齢者の感覚鈍化 → 暑さに気づきにくく、症状が進むまで気づけない
停電中の熱中症対策【家庭でできる工夫】
1. 室内環境の工夫
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窓を2方向開けて「風の通り道」をつくる
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遮光カーテンやアルミシートで直射日光を遮る
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打ち水や濡れタオルを窓辺にかけて蒸発冷却を利用する
2. 身体を冷やす工夫
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首・脇の下・足の付け根を保冷剤や濡れタオルで冷やす
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水をかけたタオルで体を拭き、扇ぐことで体温を下げる
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浴槽にぬるま湯を張り、体を冷やす「行水」も有効
3. 水分・塩分補給
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常温の水や経口補水液を定期的に摂取する
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汗を多くかいた場合は塩飴や梅干しで塩分も補給
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甘い清涼飲料水ばかりに頼らず、無糖の水分を中心に
高齢者や子どもへの特別な注意点
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高齢者:暑さに気づきにくいため、周囲の人が声をかけて水分摂取を促す
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子ども:体温が上がりやすく、短時間で熱中症に。こまめに涼しい場所へ移動させる
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乳幼児:ベビーカーや車内での待機は厳禁。わずか数分で危険な体温上昇を起こす
停電が長引く場合の避難判断
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室温が30℃以上になり、涼をとる手段が尽きたら無理をせず避難
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公民館・学校・ショッピングモールなど、非常用電源や空調のある場所に移動
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自治体が開設する「避難所」「クーリングシェルター」の情報をラジオやスマホで確認
停電時の熱中症サインを見逃さない
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めまい・立ちくらみ
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異常な発汗、または汗が出なくなる
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吐き気・頭痛
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意識がもうろうとする
→ 応急処置:涼しい場所に移動し、衣服を緩め、体を冷やしながら水分補給。それでも改善しない場合は迷わず119番通報。
事前にできる備え(停電と熱中症に強い家庭づくり)
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ポータブル扇風機(USBタイプ)+モバイルバッテリー
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保冷剤・冷感タオル・水スプレーを常備
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経口補水液や塩飴の備蓄
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太陽光発電+家庭用蓄電池を導入すれば、停電時にも冷房や冷蔵庫が使用可能
まとめ:停電中は「我慢しないこと」が命を守る
停電が続くと「暑いけど仕方ない」と我慢してしまいがちですが、熱中症は我慢して乗り切れるものではありません。
大切なのは こまめな水分補給・体を冷やす工夫・早めの避難判断。
「備え」と「正しい行動」を意識すれば、停電中でも熱中症のリスクを大幅に下げることができます。